山が好きなんでしょう。山によく登るのでしょう
よくそんなコトを人から言われる。
ログ調のジャズバーをやっていて、梁と梁の間にはスキー板を飾り
髭をたくわえていたら、どうもそう見えるらしい。
山が好き、、、、
山は好きや。ついでに言えば海も好き。
そやけど、人に聞かれる好きと、オレが好きと言うのには意味が違う。
若い頃は海が大好きやった。
そやから言うて、釣がすきでもないし、ダイビングやる訳でもない。
やっていたのはヨット。
15から20才の間は毎年、小豆島へ行ってヨットに乗っていた。
ヨットに乗ったり磯で海へ飛び込んだり
何よりも浜の松林の木陰で松にもたれて
いつまでも、いつまでも海と空を眺めてるのが好きやった。
人と話すのが苦手なオレは
そうして自分の孤独と静かに対峙していると気持ちが安らぎ妄想を自由に楽しめた
そんなコトから
小豆島へは四季を問わず冬の冷たい強い風を受けながらも
荒波に揉まれる海を哀しいまでも見ていた
若くして結婚して、若くして子供ができてからも
子供を連れて海に行った。その時の海は決まって夏の海
子供を愛しむことで孤独から解放されていた。
36になって初めてスキーに行った
海の好きなオレには、山もスキーもまるで興味がなかったのに
店でスキーツアーを企画してくれと執拗にせがまれ
重い腰を上げ渋々ツアーの企画を立てて
信州の岩岳、八方尾根に行ったのが初めてのスキー
それからというもの、スキーにはまり込んで毎年何回もスキーを
それが嵩じて遂には大阪を捨て信州木島平で
巨大なログハウス建設に挑みロッヂのオーナーにまでもなって、、
白い、白い世界。
清涼で静寂で深遠で、夢の物語をいっぱい詰め込んだような世界。
魅了され虜になり、そうなると
海は忘れ、山や森や緑の在りように心がドンドン吸い寄せられていった。
樹が好きになり、花が好きになり、
自然の在り様に心を奪われ
その中に身を置いている時の満たされる心の喜び
喜びが日常になると安らぐ日々の暮らしになり
山は、、、、
山は見るのが好きや、山の懐に入り森を彷徨う
そやから山は森林限界を越えると途端に興味が失せる
岩がゴツゴツあって荒々しく不動で
粗いものしか感じられへんから拒絶反応を起こしてしまう
ましてや、そこを登る山登りなんて
そんなところでシンドイ思いをするなんて
森は
獣や鳥の鳴声、虫も、蛇までも愛おしく
オレと彼らは生きとせ生きる、自然の中の生き物
人間と接しているよりはるかに温かいものが伝わる
森林限界以下の森の中では
何日も何日も、いつまでも、いつまでも、居たいと思うようになった
そうや、クマ、
それも、アイヌモシリの森林で悠然と独りで生きる羆の男
動物園やサーカスの熊でない
森にすむクマ
オレは 森のクマ
今日、森のクマの誕生♪ 今日から、クマの視点で人間のオレに向けて気ままなお話しの
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